婚約者に売られたドン底聖女ですが敵国王子のお飾り側妃はじめました
ひとたび戦が始まると、レナートとゆっくり過ごす時間などは取れなくなった。彼は前線に出たきりで宿営地に戻らぬ日もあるし、オディーリアも物見遊山に来ているわけではない。負傷兵の看護という仕事があった。
「状況はどうですか?」
オディーリアは比較的軽傷の兵士を選んで、戦況を聞く。
「女神様! なにも心配はいりませんよ。ロンバルはかつては大国と呼ばれていましたが、今やもう我々の敵ではないですね」
彼らはもちろんオディーリアの故国がロンバルであることなど知らない。ロンバルの凋落ぶりを嬉々として語ってくれた。
(たしかに。今の国王が倒れたらロンバルの衰退はもう止められないだろう)
なにせ次の国王はあのイリムなのだ。政治・軍略・人望・知性に教養、どれを見ても彼がレナートの相手になるとは思えなかった。ふたりを間近に見てきたオディーリアにはそれがよくわかる。
「こう言っちゃなんですが、ロンバル軍を指揮している王子はあまり戦上手には見えないです。ロンバル兵は優秀なんですが」
「ロンバルの王子はどのあたりにいるの? 前線に出てる様子?」
お喋り好きらしい兵たちは聞き知った情報をあれこれとオディーリアにも教えてくれた。それらの情報を総合すると、イリムは今回もロンバル軍の本営の奥深くにこもっていて戦場には出てきていないようだ。
「状況はどうですか?」
オディーリアは比較的軽傷の兵士を選んで、戦況を聞く。
「女神様! なにも心配はいりませんよ。ロンバルはかつては大国と呼ばれていましたが、今やもう我々の敵ではないですね」
彼らはもちろんオディーリアの故国がロンバルであることなど知らない。ロンバルの凋落ぶりを嬉々として語ってくれた。
(たしかに。今の国王が倒れたらロンバルの衰退はもう止められないだろう)
なにせ次の国王はあのイリムなのだ。政治・軍略・人望・知性に教養、どれを見ても彼がレナートの相手になるとは思えなかった。ふたりを間近に見てきたオディーリアにはそれがよくわかる。
「こう言っちゃなんですが、ロンバル軍を指揮している王子はあまり戦上手には見えないです。ロンバル兵は優秀なんですが」
「ロンバルの王子はどのあたりにいるの? 前線に出てる様子?」
お喋り好きらしい兵たちは聞き知った情報をあれこれとオディーリアにも教えてくれた。それらの情報を総合すると、イリムは今回もロンバル軍の本営の奥深くにこもっていて戦場には出てきていないようだ。