婚約者に売られたドン底聖女ですが敵国王子のお飾り側妃はじめました
「たとえば?」

 オディーリアが問うと、レナートは自信満々に微笑んだ。

「たまの晴れがめちゃくちゃ嬉しい!」
「……ふっ。ははっ、あはは」

 こらえきれず、オディーリアはふきだしてしまった。あんなに自信満々な顔をして、まさかこんな回答だとは想定外もいいところだった。

「なんだ、笑えるんじゃないか」
「……ごめんなさい。だって、そんな小さな子供みたいな…ふふ、あはは」
 
 声を出して笑ったのなんて、いつぶりだろう。イリムは「女は余計な口を聞かずに黙っていろ」というのが口癖だったから、オディーリアはいつも唇を固く引き結んでいた。
 もっとも、彼と楽しく会話ができるとも思わなかったから、それはそれでありがたいことではあったのだが。
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