婚約者に売られたドン底聖女ですが敵国王子のお飾り側妃はじめました
どちらでもいい。それがオディーリアの意思だった。いつも、どんなときでもそうだったように思う。
聖女になるため聖教会に入ることも、イリムとの結婚も、今彼に抱かれるかどうかも……どちらでもいいことだった。
(そういえば……)
レナートにイリムを殺すかと聞かれたとき、あのときだけは明確に否と意思表示をした。レナートには長剣がと言ったが、本当は少し違った。
輝くような光を放つレナートが、イリムごときの血で汚れるのはもったいないと、そう思ったのだ。
「いいか、俺はな、俺に抱かれたいと思ってる女しか抱かん。だから、そう思ったときにまた誘え」
「……わかりました。そんな日は来ないと思いますが」
真顔で言うオディーリアにレナートは眉根を寄せた。
「かわいくないな。300デルは払い過ぎたか」
300デルどころかたとえ1デルだって、払い過ぎだろう。〈白い声〉を失くした自分には価値などないのだから。
オディーリアはそう思ったが、言葉にはしなかった。レナートの言う通り、ひどく疲れていた。ゆっくりと瞼を閉じれば、意識は身体の奥深くへと沈んでいく。
聖女になるため聖教会に入ることも、イリムとの結婚も、今彼に抱かれるかどうかも……どちらでもいいことだった。
(そういえば……)
レナートにイリムを殺すかと聞かれたとき、あのときだけは明確に否と意思表示をした。レナートには長剣がと言ったが、本当は少し違った。
輝くような光を放つレナートが、イリムごときの血で汚れるのはもったいないと、そう思ったのだ。
「いいか、俺はな、俺に抱かれたいと思ってる女しか抱かん。だから、そう思ったときにまた誘え」
「……わかりました。そんな日は来ないと思いますが」
真顔で言うオディーリアにレナートは眉根を寄せた。
「かわいくないな。300デルは払い過ぎたか」
300デルどころかたとえ1デルだって、払い過ぎだろう。〈白い声〉を失くした自分には価値などないのだから。
オディーリアはそう思ったが、言葉にはしなかった。レナートの言う通り、ひどく疲れていた。ゆっくりと瞼を閉じれば、意識は身体の奥深くへと沈んでいく。