婚約者に売られたドン底聖女ですが敵国王子のお飾り側妃はじめました
「あの、ありがとう……ございました」
具合が悪いことに気がついてくれたことも、宿を取ってくれたことも、こうして看病してくれたことも、〈白い声〉を失くした自分を励ましてくれたことも……すべての感謝を、オディーリアはそのひとことにこめた。
レナートはにやりと笑う。
「抱かれたくなったか?」
「いえ、それは別に。ちっとも」
ははっというレナートの明るい笑い声を聞きながら、オディーリアはもう一度眠りについた。今度は夢も見なかった。悪夢を吸い取るというレナートのまじないか効いたのかも知れない。
よく知らない国、よく知らない男と一緒という状況にもかかわらず、その夜は生まれて初めてというくらいぐっすりとよく眠れた。
具合が悪いことに気がついてくれたことも、宿を取ってくれたことも、こうして看病してくれたことも、〈白い声〉を失くした自分を励ましてくれたことも……すべての感謝を、オディーリアはそのひとことにこめた。
レナートはにやりと笑う。
「抱かれたくなったか?」
「いえ、それは別に。ちっとも」
ははっというレナートの明るい笑い声を聞きながら、オディーリアはもう一度眠りについた。今度は夢も見なかった。悪夢を吸い取るというレナートのまじないか効いたのかも知れない。
よく知らない国、よく知らない男と一緒という状況にもかかわらず、その夜は生まれて初めてというくらいぐっすりとよく眠れた。