婚約者に売られたドン底聖女ですが敵国王子のお飾り側妃はじめました
翌朝。馬具の手入れをしているオディーリアの元に、ひとりの少年が近づいてきた。
栗色の巻き毛に、くりくりとした大きな目が印象的なその顔には見覚えがあった。彼はいつもレナートのそばに付き従っているからだ。
レナートの侍従なのだろうなと、オディーリアは理解していた。彼はニコニコしながら、オディーリアに声をかけてきた。
「オデちゃん! よかった、元気になったんだね」
「オ、オデちゃん?」
「うん。オディーリアって長くて呼びにくくない?」
「はぁ……そんなこと思ったことも言われたこともないですが」
「そぅお? でも僕は思ったから、オデちゃんって呼ぶね」
人懐っこい笑顔で、そう言われては嫌とは言えなかった。
「具合はもう大丈夫? よく眠れた?」
「あっ、はい。ご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした」
レナートだけでなく護衛のために残ってくれた彼らも、オディーリアのせいでアーリエに戻るのが遅くなるのだ。オディーリアは深々と頭を下げた。
「ぜんっぜん、迷惑なんかじゃないよ! ねね、その他人行儀な敬語やめてよー」
「そう言われましても、まごうことなき他人ですし……」
「……オデちゃん、大人しそうな顔して意外と辛口だね」
レナートとは全然違うタイプだが、彼もまたオディーリアの周囲にはいなかった人種だ。
栗色の巻き毛に、くりくりとした大きな目が印象的なその顔には見覚えがあった。彼はいつもレナートのそばに付き従っているからだ。
レナートの侍従なのだろうなと、オディーリアは理解していた。彼はニコニコしながら、オディーリアに声をかけてきた。
「オデちゃん! よかった、元気になったんだね」
「オ、オデちゃん?」
「うん。オディーリアって長くて呼びにくくない?」
「はぁ……そんなこと思ったことも言われたこともないですが」
「そぅお? でも僕は思ったから、オデちゃんって呼ぶね」
人懐っこい笑顔で、そう言われては嫌とは言えなかった。
「具合はもう大丈夫? よく眠れた?」
「あっ、はい。ご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした」
レナートだけでなく護衛のために残ってくれた彼らも、オディーリアのせいでアーリエに戻るのが遅くなるのだ。オディーリアは深々と頭を下げた。
「ぜんっぜん、迷惑なんかじゃないよ! ねね、その他人行儀な敬語やめてよー」
「そう言われましても、まごうことなき他人ですし……」
「……オデちゃん、大人しそうな顔して意外と辛口だね」
レナートとは全然違うタイプだが、彼もまたオディーリアの周囲にはいなかった人種だ。