婚約者に売られたドン底聖女ですが敵国王子のお飾り側妃はじめました
 オディーリアなりに一笑懸命考えたのだ。好きでここに来たわけではないが、かといって他に行くあてもない。そもそもレナートに買われた以上、彼がここにいろと言うならいるしかない。
 〈白い声〉を失くした役立たずの自分でも、できることを探すのだ。少しでも役立つことができれば、レナートに対して感じてしまう惨めな気持ちも薄らぐかもしれない。

「側室としてって言ったら……やっぱりアレ……じゃないの?」

 マイトはためらいがちに、言葉を濁した。

「アレとは?」
「だから~夜の充実っていうか」

 マイトに代わって、クロエがオディーリアに向き直りずばりと言い切った。

「もちろん、テクを磨いて床上手になることよ! そんで、子供を5.6人産んであげれば完璧じゃない?」
「もうっ、クロエは恥じらいがないなぁ。せっかく僕がオブラートに包んだのに」
「オブラートって美味しくないし、邪魔なだけじゃないよ。それに、オデちゃんはずばり言わないと気づかないでしょ、鈍いから」

 クロエがずばりと言ってくれたので、オディーリアもふたりのアドバイスの意味は理解した。だが……それは実現不可能であろう。
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