婚約者に売られたドン底聖女ですが敵国王子のお飾り側妃はじめました
オディーリアは老成していると言えるほどに大人びた面と、右も左もわからぬ童女のように幼い面とが混在している。今はどちらの彼女なのか……レナートも判断がつかなかった。
「なにか用か。言ってみろ」
オディーリアは散々に逡巡した末にようやく顔を上げた。その表情には並々ならぬ決意がみなぎっているように見えた。
こんな顔をするほどの話とはなんなのか……レナートは怪訝に思いながら、彼女の答えを待った。
「はい。側室としての責務を果たそうと参りました」
そう答えた彼女からは、まるで負け戦に向かう将軍のような悲壮感が漂っていた。側室としての責務とは……。
「夜這いに来たか?」
それならば、彼女のこの妙な様子にも納得がいく。
レナートはぐいっとオディーリアの肩を引き寄せた。ふわりと鼻をくすぐる甘い匂いと、薄い夜着ごしに伝わる温もりが心地よい。レナートは自身の体温がぐっと上がったのを感じた。
衝動のままに彼女の薔薇色の唇を味わおうとしたが……。
「違います!」
白く柔らかな手のひらに、唇を押し返されてしまった。
「なにか用か。言ってみろ」
オディーリアは散々に逡巡した末にようやく顔を上げた。その表情には並々ならぬ決意がみなぎっているように見えた。
こんな顔をするほどの話とはなんなのか……レナートは怪訝に思いながら、彼女の答えを待った。
「はい。側室としての責務を果たそうと参りました」
そう答えた彼女からは、まるで負け戦に向かう将軍のような悲壮感が漂っていた。側室としての責務とは……。
「夜這いに来たか?」
それならば、彼女のこの妙な様子にも納得がいく。
レナートはぐいっとオディーリアの肩を引き寄せた。ふわりと鼻をくすぐる甘い匂いと、薄い夜着ごしに伝わる温もりが心地よい。レナートは自身の体温がぐっと上がったのを感じた。
衝動のままに彼女の薔薇色の唇を味わおうとしたが……。
「違います!」
白く柔らかな手のひらに、唇を押し返されてしまった。