婚約者に売られたドン底聖女ですが敵国王子のお飾り側妃はじめました
クロエがそう言った瞬間に、前方の兵達がザワザワと騒ぎ出した。
「おっ、将軍だ! レナート将軍ばんざーい!ナルエフ軍ばんざーい!」
そんな声があちこちから聞こえる。兵達は長引いた戦の終わった安堵感と勝利の喜びで興奮気味だ。
「ほら、帰ってきた」
クロエはオディーリアに笑いかける。オディーリアはたまらず駆け出した。
「レナート!」
満面の笑みで彼の元に走ったが、マイトに肩を借りて歩く彼の青ざめた顔を見た瞬間、言葉を失った。
レナートはオディーリアに気がつき、ふっと口元を緩めた。が、その唇に色はなく、言葉は出ないようだった。
「ごめん、オデちゃん。説明は後で。怪我してるから、天幕に運ぶよ。アスラン、お湯と薬持ってきてね」
マイトがてきぱきと事を進めていく様子をオディーリアは呆然と見つめていた。
「命にかかわる怪我ではない……と言いたいところだけど、出血がひどくて体力の消耗が激しいから油断は禁物だね」
天幕内の清潔な寝台にレナートを寝かせたマイトが、オディーリアにそう説明してくれる。勢いのあった流れ矢が背中から貫通し、傷はかなりの深さだということだ。
「おっ、将軍だ! レナート将軍ばんざーい!ナルエフ軍ばんざーい!」
そんな声があちこちから聞こえる。兵達は長引いた戦の終わった安堵感と勝利の喜びで興奮気味だ。
「ほら、帰ってきた」
クロエはオディーリアに笑いかける。オディーリアはたまらず駆け出した。
「レナート!」
満面の笑みで彼の元に走ったが、マイトに肩を借りて歩く彼の青ざめた顔を見た瞬間、言葉を失った。
レナートはオディーリアに気がつき、ふっと口元を緩めた。が、その唇に色はなく、言葉は出ないようだった。
「ごめん、オデちゃん。説明は後で。怪我してるから、天幕に運ぶよ。アスラン、お湯と薬持ってきてね」
マイトがてきぱきと事を進めていく様子をオディーリアは呆然と見つめていた。
「命にかかわる怪我ではない……と言いたいところだけど、出血がひどくて体力の消耗が激しいから油断は禁物だね」
天幕内の清潔な寝台にレナートを寝かせたマイトが、オディーリアにそう説明してくれる。勢いのあった流れ矢が背中から貫通し、傷はかなりの深さだということだ。