7歳の侯爵夫人
部屋を訪ねると、コンスタンスはベッドの上に座って待っていた。
侍女たちの手によるものであろう、薄く化粧を施され、薄手の、真っ白な寝間着を着せられている。

正直、息を飲むほど美しいと思った。
いつも高く結い上げらている銀色の髪は腰に向かって流れるようにおろされている。
病的なほど青白い肌は、風呂上がりのせいか僅かに薄桃色に上気している。
透けて見えるのではないかと思えるほどの薄衣を纏い、微かに潤んだ翠の瞳で見上げてくるコンスタンスは、たしかに、言葉を失うほどに美しかった。
だが、気丈に俺を見上げてはいるものの、唇を噛み、体を強張らせ、その指先が僅かに震えているのを、見逃しはしなかった。

まるで、戦に臨む騎士のようだなー。
なんだか可笑しくなって、俺は僅かに口角を上げた。
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