もふもふな聖獣に反対されても、王子は諦めてくれません
再び病院の前でと待ち合わせをし、帰って荷造りをする。
不意にベッド脇にある金庫が目に入り、久しぶりに開けて中身を確認した。
澄んだ青色は海を思わせるブルーサファイア。光を受けると煌めいて美しい。
王子に見つめられているような錯覚に陥り、力なく首を振る。
そっと手を肩に置き、思いを馳せる。
解除魔法は、想像よりもずっと簡単なものだった。手をかざされ、エリックがなにか呪文を唱えるとほわっと肩が温かくなった。
『行け。もう俺とはなんの関わりもない』
不遜な態度でそう言われ、王子はやっぱり冷血王子なんだなあ。なんて思ったりもした。
ただ一度、王子から受けた魔法。一度切りの魔法は心地が良かった。
「フフッ。だから私のは荒治療って言われちゃうんだわ。エリック様の魔法こそ癒し魔法だもの」
ポツリと呟いても、フンッと小馬鹿にしたように顔を背けるカーティスももういない。
寂しさを感じつつも、思いも一緒に封じ込めるみたいにサファイアを金庫に戻し鍵をかけた。