もふもふな聖獣に反対されても、王子は諦めてくれません
どうして? 冷血王子、復活してない?
『意味のない争いを続けたいという愚か者』と言っていたから、ワイアット側の力で屈しさせる考えに変わったわけではなさそうだけど。
「ま、さすがに目覚めが悪いか」
口の端を上げた不遜な態度がなぜだか美しい顔に大変似合うのですが、似合い過ぎて怖さが増してます。
王子の思考を読んでいるのか、なんの合図もなく白銀の動物が翼を強く羽ばたいた。下では嵐並みの強風が拭き、悪者が飛ばされて木に引っかかっていく。
すごい。
圧倒的な力の差を見せつけられ、呆気に取られる。魔力は一ミリも使っていないのに、その差は歴然だ。
上から見る白銀の顔は、初めましてのはずなのに、どこか既視感があって。
「もしかして、カーティス?」
青い瞳が上目遣いでマリーを見ると、フンッとどこか不機嫌そうに鼻を鳴らした。
その様子を見てエリックは笑う。
「今頃気付いたのかと、不服らしい」