もふもふな聖獣に反対されても、王子は諦めてくれません

 下では大型の動物はどうにか風に飛ばされずに耐えたものの、元々が傷だらけのため、ぐったりとしゃがみ込んでいる。

 先輩はといえば、悪者と一緒に飛ばされて、少し離れた場所の木に引っかかっている。

「あの、下にいる動物たちを治療したいのですが」

 楽しそうに笑っていたエリックは笑みを消し、厳しい顔つきに変わる。

「マリーを襲おうとしていた獣だ。だいたいサファイアはどうした」

 首元に視線が行き、慌てて手で覆ってももう遅い。

「それは、その。ちゃんとアパートの金庫に仕舞ってあります。恐れ多くて」

「付けなければ意味がない」

 手を伸ばされ首を縮めると、髪に手を差し入れられる。ハニーブラウンの柔らかな髪に優しく指を滑らせるエリックは、ため息を漏らす。

「マリーのことだ。動物と触れ合うために、付けておかなかったのだろう? だから言ったのだ。加護があれば、あの程度の下等な動物なら寄せ付けずに済んだものを」

 また下等って言った‼︎
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