もふもふな聖獣に反対されても、王子は諦めてくれません

「行け。ここはお前たちの来る場所ではない。山で静かに暮らせ」

 王子の声に導かれるように動物たちは向きを変え、山の方へ歩いて行く。

「動物にも命令できちゃうんですね。すごいです」

 王子は手放しに褒められて満更でもない顔をしつつ、マリーに注意する。

「マリーは、エネルギー切れを起こす前に魔法を止める訓練しなければな」

 もっともな指摘に力なく「へへへ」と笑い、「申し訳ないです」と謝る。

 力を使い果たさなければ、納得のいく治療は出来なかった。意識を失う前にどうにか止めたとはいえ、今の状況で反論はできない。

「それと自分の身を守る(すべ)を身につけろ」

「マリー! 危ない!」

 緊迫した声が、ふたりのどこかのんびりした会話を切り裂く。
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