もふもふな聖獣に反対されても、王子は諦めてくれません

 カーティスは器用に風を掴んで滑空しながら、尻尾でマリーの顔をひと撫でする。

「わふ。どうして今、フワッってするの〜。思考が止まっちゃう〜」

 もふもふのふわふわに撫でられ、このまま天国に()されたくなる。

「カーティスも歓迎だそうだ」

 そんなわけない。

 瞬時に否定的な考えが浮かんだのは、その後に直滑降でほぼ真下に急降下したのと同時だった。

「キャー! どうして落ちていくの〜‼︎」

 落下の衝撃と恐怖でパニックになり、エリックにしがみつく。

「無論、サービスだろう?」

 楽しげなエリックに反し、マリーは心の底から叫ぶ。

「こんなサービスいりませんー!」

 よれよれになりながら、知らぬ間に王都の空を越え城の屋上に降り立っていた。
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