もふもふな聖獣に反対されても、王子は諦めてくれません

 それでも大っぴらに王子と共に彼の聖獣の背に乗り、抱きかかえられるように城に到着したのだから、良からぬ噂が立っても仕方がない。

 だいたい人からどう思われるのか、王子なのだから彼の一挙手一投足が注目されているのだとの自覚を……。

 ああ、ダメだわ。『俺は誰にどう思われようと構わない』って言うのが関の山ね。

 頭がお留守になっているマリーに、ケイトは真面目な顔を向ける。

「マリーに重大発表があるの」

 なんだろうかと息を飲む。ケイトはひと思いに告げた。

「誰にも文句を言わせないために、うちの子にならない?」

「うちの子?」

 重大発表と前置きした割には、野良猫を拾って飼うくらいの熱量で言われ、理解が追いつかない。

「父も母もマリーが城から追い出されたって聞いたら、怒っちゃって。理由が理由でしょう? それならマリーを公爵令嬢にさせましょうって」

 子どものいない公爵家が養子を取る話はないわけじゃない。でもそれは近い血筋の者が家族になるのが一般的だ。
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