もふもふな聖獣に反対されても、王子は諦めてくれません

 全くの他人の、しかも孤児院出身だなんて。

「でも、だって、私は」

 全部を言い終える前に、ケイトはマリーの言葉を遮って話す。

「マリーと接してすごく好きになったのよ。マリーは孤児院育ちを気にしているかもしれないけれど、マナーだってしっかり身についているわ。そこらの伯爵令嬢よりも礼儀正しいくらい」

 マリーの育った施設の院長はおおらかな優しい人で、たくさんの愛情をかけてもらった。そして孤児院を出てからも強く生きていける術を、子どもたちに教えてくれた。

「私たちときょうだいになるのは嫌?」

 私たちと言われ、シャリオの顔も思い浮かぶ。それに朗らかで優しい両親。憧れていたきょうだいに、家族の姿。

「考えておいて」

 小さな子が悪巧みをするみたいに、小さくウィンクをしてケイトは食事を再開した。
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