もふもふな聖獣に反対されても、王子は諦めてくれません

 ケイトと別れた後、カーティスの部屋に向かってみた。成長したカーティスにはこの部屋は狭過ぎるのか、姿は見えない。ベッドも無くなっていた。

 代わりにイーサンがいて、開いた扉をそのまま閉めてしまいたくなった。

「マリー様。ちょうど良かった。お話ししたいと思っておりました」

 うっ。私はなにも話はありませんが。

 未だ健在な苦手意識に、扉の前から動けない。

 この人じゃないだろうか。私の孤児院出身なのを理由に反対したのは。

 私みたいな小娘が、王子の近くにいてほしくないだろう。

 イーサンはマリーに言うともなく、ぼやく。

「王子の身勝手さには、ほとほと困り果てていました」

 やっぱり……。

 エリック様のわがままで、私は構われているだけなのだわ。側近に嫌われているのに、ここにいられるわけがない。
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