もふもふな聖獣に反対されても、王子は諦めてくれません
◇◇◇◇◇
時間は平等にやってくるもので、気付けば外は夕暮れ。日差しが傾き、夕日が王都の建物の向こう側に沈もうとしていた。
前回と同様の充てがわれた部屋にいると、ノックがありご丁寧にもイーサンの出迎えがあった。
「エリック様がお待ちです」
マリーは、どうせ自分には拒否権がないのだと諦めてイーサンに続く。
大きな扉の前に着くと、促されマリーだけ中に入る。開かれた先は天井の高い大広間で、大きな白銀の聖獣とエリックがいた。
「カーティス!」
思わぬ先客に声のトーンが上がる。
あの日は怒涛の展開で、しっかり姿を見るのはこれが初めてだ。
「わあ。綺麗な銀色」
「成長を遂げたカーティスと、ゆっくり会いたいだろうと思い食事に誘ったのだ」
柔らかな眼差しで言われ、ドキリと心臓が音を立てる。
婚約者候補だの、イーサンが変なことを言うから気構えてしまったけれど、食事の誘いは私が変化したカーティスに会いたいだろうという厚意からだったんだわ。
胸の音を誤魔化すように、カーティスに笑顔を向ける。