もふもふな聖獣に反対されても、王子は諦めてくれません
「ほら。カーティスが俺のご主人様に近付くなって」
苦笑して伝えると、エリックも笑う。
「主人と思っているわけではない。聖獣と王族は常に対等な関係だ」
対等な関係。それはそれで素敵だ。種族を越えた絆を感じる。
「とにかく、私はカーティスにあまり好かれていないみたいですから」
自分で言って、少し寂しくなる。フンと鼻を鳴らし小馬鹿にされているのは否めないが、マリーはカーティスを決して嫌いではなかった。
「待っていたからな」
「え?」
前に言われたことがある。『待っていたのにな』と。
それは自分のような魔力の強大な治療士を、という意味だろうと理解した。けれど今のエリックは魔力を取り戻し、誰かの魔力を当てにする必要がなくなったはず。
無論、カーティスも同様だ。
「王族に伝わる古の書物に、聖獣の翼と正式な契約について記されている」
「え、ええ」
待ち望んでいたのは、カーティスの聖獣としての変化?
話の流れを読み取れずにいるマリーに、エリックは違う答えを告げる。
「番の契りを結んだのは、俺と、それにカーティスと、だ」
「カーティス?」
意味が掴めずに、首を傾げる。
「つまり、カーティスは俺と一緒にマリーをずっと待っていた」
一緒に、私を……。