もふもふな聖獣に反対されても、王子は諦めてくれません
「もう離すつもりはない。諦めるんだな」
眩し過ぎる外見に、傲慢な態度を見落としてしまいそうになるが、あんまりだ。マリーの意見は受け付けないと宣言しているようなものだ。
こう言ってはなんだけど、魔力を取り戻したエリック様はちょっと横暴じゃないかしら。
目を逸らし不満を浮かべていると、エリックは唐突にお願いを口にする。
「マリー。触れてくれないか。マリーに触れられると心地いい」
どういう訳かマリーも魔力の交換ができるらしい。その効果なのだろうか。
そうだとしても、麗しの王子に触れてくれと言われると些か躊躇する。
「今は魔力も戻られて、そういったことは必要ないのでは……」
「ではマリーも、下等な動物と接する必要はないな。駆けつけた際、あの場にいた動物や男たちくらい、加護があれば寄せ付けずに済んだ」
冷たく言われ、反論する。
「だから下等じゃないです!」
「どちらでもいい。俺以外の男が触れるのは許さない。加護があれば、余計な男も寄せ付けずに済む」
「でも、ワイアットみたいな……」
触れてくれないか。と言ったくせにエリックは自らマリーの頬に再び手を添える。
「もういい。少し黙ってくれ」