もふもふな聖獣に反対されても、王子は諦めてくれません

 想像通り慣れない気持ちの悪さを感じてから、目を開けるとそこは想像とは違う場所。

「早いお越しだ。好奇心には勝てない性格らしい」

 大きな寝台から声がして、向けた視線をすぐに逸らす。

「な、なんて破廉恥(はれんち)な!」

 滑らかで上質なシルクを纏う王子は、匂い立つ色気に危険をも(はら)んでいるように見え、直視できない。

「おや。突然ここへ来たのはマリーの方だ。それに自室で眠る服装として、逸脱したものを身につけてはいないと思うが?」

 衣擦れの音が耳について、顔が熱くなる。

「失礼致しました。カーティスの部屋に続いているとばかり思って」

「カーティスは別の場所だ。せっかく来たのだ、こちらへ来たらいい」

"こちら"ってベッドですよね⁉︎
 どれだけ、からかえば気が済むの⁉︎

「どうした? 今ならカーティスに邪魔もされない」

「やっぱりカーティスは私がエリック様に近付くのを嫌がるんじゃないですか」
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