もふもふな聖獣に反対されても、王子は諦めてくれません

 目覚めたのは朝が早かったため、存分に支度をし、聖獣の世話に向かう。

 聖獣の部屋の扉を開けると、今日はなんだか賑やかだ。

 不思議そうな顔をしているマリーに、ケイトが説明をする。

「今日は第一王子のご息女、アリシア様が遊びにいらしているの。いつか王族の方に選ばれて、ここから巣立っていく子も出てくるのよね」

 ケイトやマリーは、王族の大切な聖獣を預かっている立場。パートナーが見つかれば、今のように関わる機会もなくなる。

 それが正しい姿だとわかっているけれど、いつか訪れるそのときを少し寂しく思った。

 陽射しの心地よい麗かな陽気。掃き出し窓は全開にされており、外で楽しそうに遊んでいる姿が見える。

 五、六歳くらいの可愛らしい女の子と、聖獣たちは追いかけっこをしている。

 さすがに聖獣も子ども相手にもみくちゃにしてはいけないと心得ているらしく、適切な距離を保って接しているのがわかる。

 ちゃんと人を見ているんだなあ。

 そう思うと、やっぱり自分は舐められているというか下っ端認定されているんだろうなと予想がついて、トホホな気持ちになる。
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