もふもふな聖獣に反対されても、王子は諦めてくれません

「わああっ!」

 歓喜に包まれ、我に返る。

「マリー! あの子が選ばれたみたい!」

 ケイトも興奮気味に声を上擦らせる。

 正式な行程は知らないが、王族が聖獣に名前を付けるのが最初の契約のひとつらしい。

「クロエ。あなたはクロエよ!」

 澄んだよく通る可愛らしい声がすると、呼び掛けられた聖獣は鼻先をちょんとおでこにくっけつけた。

 契約成立なのだろう。
 アリシアの顔がぱあっと明るくなり、クロエと名付けられた聖獣に両手を広げ、抱きついた。

 周りからは拍手が巻き起こり、幸せに包まれる。

 マリーも手の感覚が無くなるくらい、拍手を送り続けた。
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