もふもふな聖獣に反対されても、王子は諦めてくれません
「なんだ。ここにいたのか」
元、カーティスの部屋。なんとなくひとりになりたくて、仕事が終わった後、ここに足が向かっていた。
部屋の脇にあるソファに座り、ぼんやりしているマリーの横にエリックも腰掛ける。
変わらずぼんやりしていても、なにも聞かない王子に、つい心の声を漏らす。
「すごく幸せな現場に居合わせて喜んでいたんですが、急に寂しくなってしまって」
「そうか」
聖獣は五匹それぞれに可愛かった。活発な子もいれば、甘えっ子の子、おっとりした子、やんちゃだったり、いたずら好きだったり。
見た目は同じ白いふわふわのもふもふだったが、違いはあって、みんな大好きだった。
「私も、名前、つけたかったなあ」
恐れ多いのはわかっているのに、つい本音をこぼし、慌てて付け加える。
「もしも、私が王族だとしたら、私の聖獣に会えるのでしょうか」
有りもしない考えだと思っていたのに、今はそんなもしもに頼りたくなる。