もふもふな聖獣に反対されても、王子は諦めてくれません

「というわけですので、マリー様。ご準備お願い致しますね」

 エリックから受け取った写真を開き、マリーに向かって告げるイーサン。

 その開いた写真には、ぎこちなく笑うマリーが写っていた。

 これはこの前、ケイトの家にお呼ばれした際に遊びで撮ったもの。

 それがどうしてここ⁉︎

「ちょ、ちょっと待ってください。婚約者候補の中からって」

 婚約者候補というのは、名だたるご令嬢が名を連ねているはずで……。もしかして、前の晩餐で、婚約者候補になるのを了承したと見做(みな)されたわけ⁉︎

「はい。公爵令嬢様ですので、身分も申し分ありません」

「こ、こ、公爵令嬢⁉︎」

 噛み噛みになり、イーサンの告げた身分を繰り返すとイーサンは白々しく言い直す。

「失礼。公爵令嬢の予定、でございました」

 仰々しく頭を下げるイーサンと、笑いを堪えようと口元に拳を当て、顔を背けているエリックを交互に見つめ、唇はわなないて声が出ない。
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