もふもふな聖獣に反対されても、王子は諦めてくれません

「この際だから伝えておこう。俺はマリーを城付きの治療士でも、王子の親しい友人としてでもなく、第三王子の妃として迎えるつもりだ」

 いつの間にか笑みを仕舞った王子は、いつになく真剣な表情でマリーを見つめている。
 真っ直ぐに向けられるブルーサファイアの瞳はどこまでも澄んでいて、嘘偽りのない想いだと信じるしかない状況にマリーは戸惑う。

「だって、本来は身分違いですし、その、からかって遊んでいただけなのでは……」

 つい本音を漏らすと、スッと目を細くしたエリックに戒められる。

「俺はいつも本気だ」

 胸が音を立てて鼓動が早まり、甘酸っぱい気持ちを連れてくる。

 ヤダ。なにときめいてるの?

「まあ、まずはマリーの謎を解かなければな」

 話題が変わり、マリーは眉を(ひそ)める。

「私の謎、ですか?」

「マリー。自分でも自身の出生が気になっているのだろう? マリーの育った孤児院の院長はマリーが知りたいのなら、話す準備があるのだそうだ」

「えっ」

 自分の出生がわかるかもしれない。

 降って沸いた情報に声のトーンが上がる。
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