もふもふな聖獣に反対されても、王子は諦めてくれません
「今日の方が良ければ、急ごう」
全くの逆方向の提案をする王子に、言葉を濁す。
「い、いえ。そういうわけでは……」
この人、王子なのにどうしてそんなにフットワークが軽いわけ⁉︎
「ちょうど、泊まりの旅行に行きたかったのだろう?」
意味深に言われ、ヒーッと心の中で悲鳴を上げる。
もしかしてそれは、先輩との大型獣の往診を言っているの⁉︎
だから、それは仕事で……。
今までの経験上、正論をぶつけても無駄だと悟り、敢えてエリックを慮る発言をする。
「エリック様は仮にも第三王子。城での政務が滞っては、問題があるでしょうし。自分の問題は自ら解決いたします」
するとイーサンが、さめざめとした声色で告げる。
「マリー様。監視下から逃れようとされているのが、見え見えにございます」
ううっ。別に普通の訴えだと思うんですけど。