もふもふな聖獣に反対されても、王子は諦めてくれません

「今日の方が良ければ、急ごう」

 全くの逆方向の提案をする王子に、言葉を濁す。

「い、いえ。そういうわけでは……」

 この人、王子なのにどうしてそんなにフットワークが軽いわけ⁉︎

「ちょうど、泊まりの旅行に行きたかったのだろう?」

 意味深に言われ、ヒーッと心の中で悲鳴を上げる。

 もしかしてそれは、先輩との大型獣の往診を言っているの⁉︎
 だから、それは仕事で……。

 今までの経験上、正論をぶつけても無駄だと悟り、敢えてエリックを慮る発言をする。

「エリック様は仮にも第三王子。城での政務が滞っては、問題があるでしょうし。自分の問題は自ら解決いたします」

 するとイーサンが、さめざめとした声色で告げる。

「マリー様。監視下から逃れようとされているのが、見え見えにございます」

 ううっ。別に普通の訴えだと思うんですけど。
< 168 / 170 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop