もふもふな聖獣に反対されても、王子は諦めてくれません

 マリーのうたた寝に誘われたのか、今は眠るカーティス。
 エリックの聖獣は、なぜ灰色の体毛なのだろう。

 世間に公表しないのは、灰色のカーティスが無様だと思っているの?

 エリックがカーティスに向ける眼差しは、どことなく(いつく)しみに溢れている気がして、とても恥じているようには思えない。

 それにどうして世間を(あざむ)いてまで、冷酷王子を演じているんだろう。

 演技がバレてからのエリックは、別人のように柔和で接しやすい雰囲気だ。

 絶対にこっちの方が、みんなにも親しまれるのに。

「さあ。初日で疲れただろう? 自分の部屋でゆっくりお休み。俺もたまに顔を出すようにするから」

 (ねぎら)いの言葉をかけられ、胸の中の疑問をエリックにはぶつけられなかった。

 それから聖獣の世話に、カーティスとの戯れ合い(?)の日々にと奮闘する。エリックは宣言通り本当に度々顔を出した。
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