もふもふな聖獣に反対されても、王子は諦めてくれません

「決めた! 今日は心置きなくもふもふしながら世話をする! 倒れたらその時よ」

 ずっとずーっと我慢していた。今日を頑張るから、そのご褒美として、もふもふを許してもらいたい。

 それに倒れたケイトから『今日を乗り越えてくれれば、明日は数人が回復できると思うから頑張って。お願い!』と頼まれている。

 自分の魔力に変調を感じたら、即座に聖獣から離れると心に誓い、もう一度もふもふに手を伸ばす。

 逃げずに体を擦り寄せるふわふわたち。

「ああ。幸せ。癒されて、逆に魔力が充電されそうなのになあ」

 思いっきり顔を埋めてから、勢いよく立ち上がる。

「よし。あなたたちご飯にしましょう!」

 奥にある専用の調理場に向かい、準備を始めた。

 聖獣の部屋は掃き出し窓から外に出られ、天気の良い日は日向ぼっこもする。

 午後の(うら)らかな日差しを浴びながら、もふもふに囲まれて……。

「柄の短いブラシで撫でながらブラッシングもしよう」

 今日一日の予定を考え、鼻歌を歌いながら聖獣たちの朝ごはんを用意するのだった。
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