もふもふな聖獣に反対されても、王子は諦めてくれません

 より高貴な聖獣であるかどうかは、毛の白さによって表されるのだから。

 相棒になる聖獣は国王陛下が決めるのか、はたまた呼び合うのか。噂では定めとして決められていると言い伝えられている。

 マリーはケイトの話していた噂話を思い出す。

『ここは王子に聖獣がいない、という事態を起こらせないために設けられた施設なのよ』

 エリック王子の二の舞にならぬように、そこから城で聖獣の世話が始まったのだという。だから、聖獣の世話係は発足して数年。

 まだまだ整備がされていないのだ。聖獣に対し何人世話係が必要なのだと、城の役人は対応に追われている。

 今までは野生で育っていた聖獣と出会っていたから、エリックがカーティスと関わりがある秘密を一部の人しか知られずに済んでいる。

「私が考えても仕方がないことね」

 エリックやカーティスが幸せになれればいいのに。不意に見せるエリックのどこか物悲しそうな横顔が頭に浮かび、胸が締め付けられる。

 マリーは見ていることしか出来ないもどかしさを感じていた。
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