もふもふな聖獣に反対されても、王子は諦めてくれません

 魔力の枯渇には縁がないのか、ひとりで五匹の世話をする体力的な大変さは感じつつも、無事に任務を終えられた。

 私の魔力って底なしなのかしら。

 自分自身も不思議に思いつつ、次はカーティスの部屋へと出向く。

 ここ最近、体調が悪いときは素直に甘えてくれるときもあり、懐いてくれたのかなと勘違いしそうになる。

 それもヒーリング魔法を施すまで。

 元気になればいつもの生意気な態度に逆戻りで、「今日も騙された!」と嘆いている。

 カーティスのところに行くと今日も体調が悪そうだ。撫でると気付いて力なく体を起こし、ペロリとマリーの頬を舐める。

「あうー。弱ってると可愛いなんて、どんな悪魔なのー」

 ふわふわな体を優しく包んで抱きしめてから、名残惜しみつつ離れる。
 今の方が可愛いからって治療しないわけにはいかない。

「ヒーリング」

 手をかざし、淡い光に包まれるカーティスを微妙な気持ちで見つめる。

 毎日のように具合の悪いカーティス。私では治せない、どこか根本的なところが悪いんじゃないかしら、と不安になる。
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