もふもふな聖獣に反対されても、王子は諦めてくれません

 驚いた顔を向けられ、無作法に触れてしまった行動を詫びる。

「す、すみません。無礼だ!って斬り捨てないでください」

 肩を竦め、引っ込めようとした手を掴まれ目を見張る。

「いや、いい。このまま触れていて」

 全身の血が逆流した気がする。沸騰したみたいに体が熱い。

「治療、させてください」

 なんとか声を絞り出すと、王子は無慈悲な提案をする。

「このまま手を握って治療してくれるのなら。マリーに触れられると心地いいんだ」

 柔らかな笑みを向けられ、心の中で絶叫する。

 人たらし王子め!
 絶対に、絶対に、今後弱った姿を見ても近づいたりしないんだから!

 次は遠隔から治療すると心に誓い、今回だけと腹積りをして、覚悟を決める。 

「ヒーリング」

 手から直接王子に伝わっていく淡い光。少しマリーにもピリピリとした刺激が伝わってくる。

 そのうち意識を手放していた。
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