もふもふな聖獣に反対されても、王子は諦めてくれません
「魔力の枯渇は起こしていませんようで、安心いたしました」
淡々と告げるイーサンの声を聞きながらも、エリックは次のご馳走、サーモンのパイ包み焼きをフォークに刺し、マリーの口元まで運ぶ。
「あの、自分で食べたいです」
「せっかくだ。俺が与えたい」
ニッコリと口角を上げる王子が、悪魔に見える。
「エリック様はお元気そうで」
「ああ、おかげさまで」
「……なによりでございます」
早く食べろと言わんばかりに更に差し出され、観念してギュッと目をつぶり口を大きく開ける。
エリックはもちろん、イーサンも、それからカーティスにさえも見られている針の筵のような食事を続けた。
イーサンとカーティスのどこか冷めた視線が痛々しく、美味しいはずの食事もよく味わえずにゴクンと飲み込むのだった。