もふもふな聖獣に反対されても、王子は諦めてくれません
エリックの顔色も、カーティスも今は調子が良さそうだ。
「エリック様が元気だと、カーティスの体調もいいみたいですね」
「それは……」
マリーが何気なく言った言葉に、エリックは口籠もり、イーサンと顔を見合わせた。
「マリーにはいつか話さなければいけないと思っていた」
エリックが真面目な顔で言うものだから、マリーは姿勢を正し、喉を鳴らす。
「カーティスの体が弱いのは、俺のせいなんだ」
揺れる瞳を見つめ、切なくなる。
私、王子の弱った姿に弱いみたいだ。
どうでもいい確信を得て、人が弱っているところを放っておけないのは治療士の鏡だわ。と、誰にするでもなく言い訳を浮かべる。
「聖獣は王族と相棒になると、その人物から魔力をもらい成長する。俺には魔力がない」
想像していなかった告白を聞き、絶句する。
王族は魔力が強いとばかり思っていた。まさかエリック様に魔力がないだなんて……。
ただエリックから話の続きを聞き、少しだけ納得する。
「いや、魔力がないというのは語弊があるな。ある出来事をきっかけに魔力が使えないよう無意識に抑えつけている」