もふもふな聖獣に反対されても、王子は諦めてくれません

「だいたい、間違えて噛み付いたのでしょう? それで番になったら、お互いに困りますよね」

「俺は特に困りはしないが?」

 涼しい顔のエリックに強く反論する。

「私は困るんです! 現にそのせいでもふもふに避けられて……」

「困るのは、もふもふだけ?」

 きょとんとしているマリーを見て、静観していたイーサンはエリックに耳打ちをする。

「人間の男避けにもなっているはずですが、色恋には疎いのでしょうか。助かりましたね」

 エリックはイーサンの意見を聞いても、否定せずに黙っている。

 ここでイーサンがマリーとエリックとの会話に口を挟む。

「とにかくマリー様には、エリック王子とカーティスが体調を崩したとき治療する義務があります」

「何故です?」

 反抗的に返すが、治療が嫌なわけじゃない。

 ただ、番だ、嫁だ、妻だと、納得できない理由で世話をしろと言われるのが、気に入らない。
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