もふもふな聖獣に反対されても、王子は諦めてくれません

 王族は魔力が強い故に、みんなから敬われ慕われている。魔力が全てのユラニス王国で、力を失うことがなにを意味するのか。

 マリーは不思議に思っていた王子の行動の理由に行き着く。

「だから、エリック様は冷酷な王子を演じられているのですか?」

 皆から恐れられ、内情を知られないために。

「さあ。それはどうかな」

 言葉を濁されれば、そうだと言っているようなものだ。

 私のせいで……全て私のせいだったの?

 口内の水分がどこかに消えてしまったように、口はカラカラに乾き、指先は勝手に震え出す。

「あ、あの。すみません。頭を整理する時間をいただけませんか」

「いいだろう」

 寛大な言葉を聞き、マリーは頭を下げてよろよろと退室した。
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