もふもふな聖獣に反対されても、王子は諦めてくれません

 夕方になり、ケイトとの待ち合わせ前にカーティスのところへ顔を出す。今度はノックを忘れずにすると、中から返事があった。

「はい」

「失礼します」

 扉を開いてウッと顔を(しか)めてしまう。部屋にいたのはイーサン。マリーはどことなくイーサンが苦手だった。

「エリック様でなくて、ガッカリだというお顔ですね」

「いえ。そんなことは」

 イーサンが苦手なだけで、エリックもどうせならいてくれない方がいい。とんでもない発言ばかりして心をかき乱すから。

 胸の内を悟られないように取り澄ましてカーティスの様子を伺う。やはり体調が悪そうだ。一日の疲れが出るのか、夕方から夜にかけて辛そうにしていることが多い。

 エリックは厄介な人物に会うと言っていた。カーティスの体調が悪いのは、彼が疲弊している証拠だ。

 心配になりつつも、マリーにできるのはカーティスを癒すだけ。
< 73 / 170 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop