もふもふな聖獣に反対されても、王子は諦めてくれません
マリーほどじゃないにしても、田舎にいた頃の友人たちは動物と触れ合っていた。至って普通に。魔法の練習で魔力を使う機会ももちろんあったが、魔力を枯渇させたという話は聞かなかった。
田舎暮らしで走り回って生活していたから、体力があったのかしら。ううん。きっと、聖獣がすごいのね。可愛い顔をして、みんなの魔力を吸い尽くしちゃうんだわ。
でも、それならどうして私は倒れないの?という疑問に行き着く。
それがエリック王子との契りの加護のお陰だとしたら、いい面もあったってことかしらね。
「ほら、掴まって」
ぐるぐる考えているマリーの前に聖獣をブラッシングする柄の長いブラシが差し出され、引っ張り上げてもらう。
「ありがとうございます」
「聖獣に揉みくちゃにされながら、ひとり百面相していたから、そっとしておこうかと思っちゃったわよ」
「ひとり百面相ってなんですか⁉︎」
「マリーの代名詞」
「変な呼び名を思い浮かべていないで、声をかけてくださいよ!」
話しながら部屋を出て行こうとしていると、シャリオが後ろから駆けてくる。