もふもふな聖獣に反対されても、王子は諦めてくれません

 マリーほどじゃないにしても、田舎にいた頃の友人たちは動物と触れ合っていた。至って普通に。魔法の練習で魔力を使う機会ももちろんあったが、魔力を枯渇させたという話は聞かなかった。

 田舎暮らしで走り回って生活していたから、体力があったのかしら。ううん。きっと、聖獣がすごいのね。可愛い顔をして、みんなの魔力を吸い尽くしちゃうんだわ。

 でも、それならどうして私は倒れないの?という疑問に行き着く。

 それがエリック王子との契りの加護のお陰だとしたら、いい面もあったってことかしらね。

「ほら、掴まって」

 ぐるぐる考えているマリーの前に聖獣をブラッシングする柄の長いブラシが差し出され、引っ張り上げてもらう。

「ありがとうございます」

「聖獣に揉みくちゃにされながら、ひとり百面相していたから、そっとしておこうかと思っちゃったわよ」

「ひとり百面相ってなんですか⁉︎」

「マリーの代名詞」

「変な呼び名を思い浮かべていないで、声をかけてくださいよ!」

 話しながら部屋を出て行こうとしていると、シャリオが後ろから駆けてくる。
< 76 / 170 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop