もふもふな聖獣に反対されても、王子は諦めてくれません

 聖獣の部屋の前まで来ると、ケイトたちと別れ、マリーだけ別の方向へ歩き出す。イーサンからカーティスの体調が悪いため、朝からそちらの部屋に来てほしいと頼まれていた。

 マリーが城に来るまでは、イーサンが魔力を分け与え、なんとかやってきたのだと知らされた。しかしイーサンだけでは、魔力の枯渇を起こす危険もあるため、マリーに白羽の矢が立ったという。

「奇跡のマリア、か」

 どれだけ戦獣を癒しても倒れない奇跡の治療士"野戦病院のマリア"。その噂を聞きつけ、魔力目当てで呼ばれた。

 イーサンとしては魔力が強大な女性ならば、エリックが魔力を封じるきっかけとなった人物かもしれないという考えもあっただろう。

 つまりビンゴだったわけで。

「そりゃ憎くもなるよね。諸悪の根源だもの」

 イーサンの冷たい対応の理由が、わかった気がした。
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