もふもふな聖獣に反対されても、王子は諦めてくれません
芳しいにおいにつられ、鼻をヒクヒクさせ目を開ける。
すぐ近くのテーブルには豪華な料理が並べられており、マリーの頬をカーティスがペロペロ舐めていてくすぐったい。
ここは、桃源郷?
「ああ。良かった。目が覚めたようだ」
穏やかなエリックの声を聞き、あれ? じゃ舐めているのは本物のカーティス? 懐いてくれたってこと? と、半信半疑でカーティスに寝ぼけ眼を向ける。
澄んだ海色の瞳と目が合うと、フィッと顔を背けてしまった。
あれ? やっぱり夢……?
「マリーは魔力の枯渇は起こさないみたいだが、急激なエネルギー切れは起こすみたいだな。かれこれ寝ながら食べるという芸当を二人前やってのけているのだが、気付いていないのか?」
魔力の枯渇に、エネルギー切れ。
なんのことだろうかと逡巡してから、ガバリと体を起こす。
「エ、エリック様っ。お加減は⁉︎」
目を丸くしたエリックが柔らかな顔つきに代わり、微笑みを浮かべる。
うう。眩しい。もしやここは三途の川の向こう岸?