もふもふな聖獣に反対されても、王子は諦めてくれません

「ならば毎夜、俺の部屋に来ればいい」

 美しいブルーサファイアの瞳に、なにかを企む怪しい光が灯る。

「な、なんでそうなるんですかっ‼︎」

「番なのだ。遠慮するな」

「遠慮ではありません!」

 夜だなんて! この人の貞操観念はどうなっているのっ⁉︎

 親しい間柄でも、夜に女性が男性の部屋へ招かれてはいけないことくらいマリーでも知っている。

「イーサンも『ご自身の部屋に連れ込むなどなにを考えていらっしゃるのですか!』と目くじらを立てていたが、誰に見られても俺は困らない」

 いえ。そこは困ってください‼︎

 アワアワして声を出せずにいると、エリックは満足そうに口角を上げている。そしてイーサンの声色を真似て、注意された内容を話す。

「『年頃の男女が!と見咎(みとが)められたいのですか⁉︎』だなんて、俺は誰にどう思われようと構わない」

 あの部屋がエリックの自室だとは知らなかった。緊急事態だったのだから、見逃してほしい。
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