もふもふな聖獣に反対されても、王子は諦めてくれません
エリックは、暗い顔をするマリーの頭に手を置いてかき回す。
「嘆いているのではない。知れて良かったと思っている」
なにを知れたのかそこまではわからない。しかし王子の晴れやかな顔を見れば、きっとエリックの力でユラニス王国は間違った道には進まないと、信じられる気がした。
「国王もそれに追従する第一、第二王子も争いではなく、平和を望んでいる。ユラニス王国はきっと今以上によくなる」
真っ直ぐな眼差しを見つめ、胸が熱くなる。
「あの、前に加護がある私に近づいて来ないのは、下等な動物だって」
「あ、ああ」
話題がガラリと変わり、エリックは少しだけ面食らっている。
「近付いてくる人の方が、私にとってはどうしようもない人でしたが」
一瞬の沈黙の後、「ハハハッ」とエリックは声を上げて笑う。
「本当だな。近付ける動物も碌でもない奴もいる」