男装即バレ従者、赤ちゃんを産んだらカタブツ皇帝の溺愛が止まりません!
「大丈夫、体の具合が悪きときは気分だって沈みがちになるものよ。最近の私は情緒が不安定でいけないわ。しっかりなさい」
自分自身に言い聞かせるように唱え、颯爽と前を向く。部屋を出て、顔馴染みとなった近衛兵に後宮に向かう旨を告げると、背中を伸ばして歩きだした。
回廊を渡って訪れた後宮の第一印象は、寂しいところ、そんなひと言につきた。中に続く扉の前には、近衛兵ひとり立っていなかった。
ちなみに、解体したはずの後宮になぜ今も後宮統括官などという役職者がいて、予算が発生しているのかといえば、それは偏にサイラス様の温情による。彼は後宮の機能は解体したが、行きどころのない女たちに強引な退去を迫ることをしなかった。
結果的に、今も帰る家を持たない女たち数人が後宮に残り細々と暮らしており、後宮統括官はそんな女たちのまとめ役。彼女があげてきた予算は、女たちの暮らし向きにかかる費用なのだ。
「ごめんください。どなたかおられますか?」
私は無人の扉を手ずから押し開けて、中に向かって声を張る。
「はーい。お待ちください」
自分自身に言い聞かせるように唱え、颯爽と前を向く。部屋を出て、顔馴染みとなった近衛兵に後宮に向かう旨を告げると、背中を伸ばして歩きだした。
回廊を渡って訪れた後宮の第一印象は、寂しいところ、そんなひと言につきた。中に続く扉の前には、近衛兵ひとり立っていなかった。
ちなみに、解体したはずの後宮になぜ今も後宮統括官などという役職者がいて、予算が発生しているのかといえば、それは偏にサイラス様の温情による。彼は後宮の機能は解体したが、行きどころのない女たちに強引な退去を迫ることをしなかった。
結果的に、今も帰る家を持たない女たち数人が後宮に残り細々と暮らしており、後宮統括官はそんな女たちのまとめ役。彼女があげてきた予算は、女たちの暮らし向きにかかる費用なのだ。
「ごめんください。どなたかおられますか?」
私は無人の扉を手ずから押し開けて、中に向かって声を張る。
「はーい。お待ちください」