男装即バレ従者、赤ちゃんを産んだらカタブツ皇帝の溺愛が止まりません!
いくら後宮統括官という官職とはいえ、後宮が解体後の就任となれば、待遇が格段に劣ることは瞭然だったろう。もしかするとサリー様には帰る場所がなく、やむなく就任する事情などがあったのだろうか……。
ひとり思いを巡らせていたら、サリー様がスッと上げていた視線を落とす。再び、私たちの目線が絡んだ。
これまでの穏やかさとは一転し、彼女の目に炎のように燃える激情が見えた。驚く私を余所に、サリー様はひと呼吸分の間を置いて口を開いた。
「私が後宮統括官に就任したのはね、思い出深いこの場所をなんとか守りたい一心から。そして、いつの日か――」
厳かに語るサリー様の声からは、眼差しと同様に悲愴なまでの決意を感じた。ところが、しっかりとした発語の前半と異なり、後半で一気にトーンを下げられてしまい、台詞の最後を聞き逃してしまった。
「すみません、最後がよく聞き取れず」
ひとり思いを巡らせていたら、サリー様がスッと上げていた視線を落とす。再び、私たちの目線が絡んだ。
これまでの穏やかさとは一転し、彼女の目に炎のように燃える激情が見えた。驚く私を余所に、サリー様はひと呼吸分の間を置いて口を開いた。
「私が後宮統括官に就任したのはね、思い出深いこの場所をなんとか守りたい一心から。そして、いつの日か――」
厳かに語るサリー様の声からは、眼差しと同様に悲愴なまでの決意を感じた。ところが、しっかりとした発語の前半と異なり、後半で一気にトーンを下げられてしまい、台詞の最後を聞き逃してしまった。
「すみません、最後がよく聞き取れず」