男装即バレ従者、赤ちゃんを産んだらカタブツ皇帝の溺愛が止まりません!
「ご安心くださいませ、セリーヌ様。ご事情は全て、サイラス陛下より聞き及んでおります」
ドクトール様から『セリーヌ』の名で呼び掛けられた瞬間、ヒュッと気道が狭まった。
サイラス様が私の秘密を第三者に打ち明けたことへの驚きや憤りが胸に木霊す。脈がドクドクと煩いくらいに鳴っていた。
「儂は軍所属の時代より陛下はもとより、あなた様の父君であるプロスペール元帥や、軍略参謀だったウィルソン卿とも既知の間柄でございます」
しかし、ドクトール様が続きに語ったある人の名に、胸が破れそうに鼓動が跳ねた。
「待ってください! 今『ウィルソン卿』とおっしゃいましたか!? 彼は軍に所属する方だったのですか!?」
ウィルソン卿とは四年前にたまたま知り合った。それからずっと、彼は困窮し満足な学習機会を持てずにいたセリウスと私に無償で教育を与えてくれた恩人だ。だが、その素性は謎に満ち、来訪の予定はいつも口約束やウィルソン卿から寄越される手紙で決定していた。私は彼の居住はおろか連絡をとる手段すら持っていなかったのだ。
ドクトール様から『セリーヌ』の名で呼び掛けられた瞬間、ヒュッと気道が狭まった。
サイラス様が私の秘密を第三者に打ち明けたことへの驚きや憤りが胸に木霊す。脈がドクドクと煩いくらいに鳴っていた。
「儂は軍所属の時代より陛下はもとより、あなた様の父君であるプロスペール元帥や、軍略参謀だったウィルソン卿とも既知の間柄でございます」
しかし、ドクトール様が続きに語ったある人の名に、胸が破れそうに鼓動が跳ねた。
「待ってください! 今『ウィルソン卿』とおっしゃいましたか!? 彼は軍に所属する方だったのですか!?」
ウィルソン卿とは四年前にたまたま知り合った。それからずっと、彼は困窮し満足な学習機会を持てずにいたセリウスと私に無償で教育を与えてくれた恩人だ。だが、その素性は謎に満ち、来訪の予定はいつも口約束やウィルソン卿から寄越される手紙で決定していた。私は彼の居住はおろか連絡をとる手段すら持っていなかったのだ。