男装即バレ従者、赤ちゃんを産んだらカタブツ皇帝の溺愛が止まりません!
「サイラス陛下はよい方を選ばれました」
「セリーヌ皇妃、あなたを歓迎します」
「やめてください! おふたりに腰を折っていただくなんてとんでもない。なにより今日は私が謝罪に来ていたはずで……と、とにかく頭をあげてください!」
 慌てふためく私をふたりは柔らかに見つめ、揃って腰をあげた。
「こうしていると、たしかに昨日までと同じなんだがな。だが、不思議なことにさっきまでの凛とした立ち姿には、どこを探しても従者の面影は見つからなかった。昨日までの姿が、まるで夢幻だったみたいにな」
 ダボット様が口角を緩め、ポツリとこぼす。
「おやダボット、今さらなにを分かりきったことを言っているのやら。セリーヌ様の目に映る景色が変わったのです。そうなれば当然、昨日までと同じ従者のままではありません。……どうやらセリーヌ様は、既に陛下と同じ目線で物を見ておられるようですから」
 ……私の目に映る景色。ゼネダ様の言葉にトクンと胸が熱を持った。
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