男装即バレ従者、赤ちゃんを産んだらカタブツ皇帝の溺愛が止まりません!
 来週の神事というのは、皇妃の出産予定日の一カ月前に全皇族が一堂に集って行なわれる安産祈願のことだ。とはいえ、私の場合は月の物が乱れていたため予定日にかなり幅があった。神事の日時は、参列する皇族らの予定を鑑みて妊娠発覚後、速やかに報せるのが常だった。私も例に漏れず比較的早い時期に日程を決めたのだが、ドクトール様の先の診断で『当初の見立てより、週数が進んでいるかもしれない』と告げられていた。不安げに表情を陰らせる私に『もっとも出産までにはまだ間がありそうだ。そう心配しなくとも大丈夫です。少し出産が早まることがあるかもしれないと、それだけ頭の片隅に置いておいてください』と、ドクトール様はこんなふうに続けた。
 ドクトール様の言葉にまったく心配がないといったら噓になるが、こればかりは考えたところでどうなるものでもない。私はそんなふうに自分を納得させて、心穏やかに出産の日を迎えられるよう、できるだけ不安を抱かないように努めた。
「セリウスに伝えたら、ぜひ参加したいと言っていた」
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