男装即バレ従者、赤ちゃんを産んだらカタブツ皇帝の溺愛が止まりません!
 私は穏やかな笑みを浮かべたサイラス様が、まさか早馬を駆け通してサルランサ地方から返ってきたところだなんて想像もせずに、彼の口づけを受けてまたすぐに眠りの世界へと戻っていった。
「おいセリーヌ、なにを泣く? セリウスはすっかり顔色も良くなって、病弱の影はもうどこにもなかった。本人も身長が伸び、体重が増えたと言って笑っていた。俺たちの結婚を祝福し、来週の神事にはぜひ出席したいと言ってくれた。あの様子なら帝都への移動も苦にはならんだろう。もちろん、俺の方で道中を快適に過ごせるよう、最新の馬車を手配する。だから、なにも心配はいらん」
 セリウスと定期的にやり取りをする中で、健康状態については把握していた。それもあって、セリウスの体調回復が嬉しくないわけではないけれど、今さら涙するほどの感動を覚えるものではない。
 それよりももっと、私の心を強く揺さぶって目頭を熱くさせるのは……。
「……サイラス様、愛してます」
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