男装即バレ従者、赤ちゃんを産んだらカタブツ皇帝の溺愛が止まりません!
「では、今度の神事では『天の采配』にも『心の中の神様』にも、ふたりでありったけの感謝を伝えなければなりませんね」
「そうだな。公務をこんなに楽しみに感じるのは初めてだ」
 サイラス様は額と額をコツンとくっ付けて、フッと笑みを深くした。じゃれ合うみたいなこんな些細な触れ合いが、情事で温もりを分け合うのに勝るとも劣らない愛しさを生むのだと、これは最近になって知ったこと。
「もっとも、お前と夫婦となり、揃って熟す公務はかつてとは段違いに面白が」
 サイラス様の笑みが滲む近さに迫り、そっと唇同士が重なる。
「……んっ」
 サイラス様の新しい一面を知るたびに、もっともっと好きになる。彼の一言一句、一挙手一投足が私の胸を高鳴らせ、ときめかす。私は日々、夫となったサイラス様に恋をしている。
 そうして、きっとこの恋にはゴールがない。
 私はサイラス様を愛し、彼に恋をしながら生涯を過ごしていくのだろう。温かな口づけを受けながら脳裏に描いた幸福な未来に胸が詰まった。


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