男装即バレ従者、赤ちゃんを産んだらカタブツ皇帝の溺愛が止まりません!
 すると、ここまでずっとアーサーを抱いてくれていたゼネダ様が、普段の侍従長官の顔とは違う穏やかな表情で口を開いた。
「アーサー皇子は、幸せなお子でございます。こんなに聡明で寛容なお母上をお持ちなのですから。お父上に関しては……、まぁとにかく、ラインフェルト帝国の行く末は明るい」
 驚くべきことにゼネダ様は大の子供好きだそうで、アーサーはずっと上機嫌で彼の腕に抱かれていた。
「おいゼネダ、セリーヌが『聡明で寛容』というのには大いに賛同するが、なにやら途中、俺への含みを感じたのは気のせいか?」
「おやおや、それは考え過ぎというものです」
 胡乱げに眉根を寄せるサイラス様に、ゼネダ様はヒョイと肩を竦めて答える。
「ゼネダ様、アーサーをこちらでいただきますので、ゆっくりお茶を飲んでください。長く抱っこしていただいて、ありがとうございます」
「とんでもない。ぜひ、また後で抱っこさせてください」
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